おとさんの連載コラム01

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あいに行ける秋田犬のの「ののプロジェクトのはじまり」

ののが私たちの家族になってからもう3年になる。当初、秋田犬を飼いたいと言った時にゼロダテの皆から猛反対を受けた。誰が散歩するの?すごい食べるからえさ代がかかる。軽い気持ちで飼える犬じゃない。そもそも中村さんは、東京だから私たちが世話をしなくちゃならない。親戚のおばさんに聞いても、でっかいし突然噛んだりする。などなどネガティブトークがでてくる、でてくる。

秋田犬保存会があり、秋田犬世界の中心である大館市なのに、その文化的価値に対してあまりにも実感がなく意識が薄い。忠犬ハチ公のイメージに頼って街づくりに利用する程度の虚像的存在でしかないようにも思えた。さらに、ペット産業において高付加価値商品としての秋田犬の取り扱い方に強い不信感を覚えた。

何とかこの秋田犬をとりまく環境をよりよい方向に新陳代謝することができないか?
いつの間にか根付いた秋田犬のネガティブな意識を払拭できないか?
商品としての価値に縛られない文化的価値をいかに生み出していくのか?

そのためには、実際に秋田犬と一緒に暮らさなければ、机上の空論になってしまう。何度も何度も、みんなでいろいろと話し合った結果、飼うことに決めた!
新たなスタッフとして、家族の誕生を祝うように、日々の生活を丁寧に楽しく伝えたいと飼い始める期待感が不安感を押しのけていった。

どこでだれに言えば飼えるのか?

ネットを検索してブリーダーを探したり、秋田犬を販売しているペットショップに連絡してみたが、不信感が募るだけだった。正面突破で秋田犬保存会に相談してみると、秋田犬保存会はブリーダーの紹介も行っていた。快く経験値の高いKさんを紹介してくれた。そして、やっと待ちに待ったKさんの犬舎に行く日には、初めての出会いとなるため、ビデオカメラを回しドキュメント取材のように訪問した。大勢で押しかけたのでKさんは、少し驚いたように私たちを迎えてくれた。 (つづく)

このテキストは、ののとの想い出を振り返りながら、徒然なる気持ちを書きとめるために不定期に書いていきます。

 


著者プロフィール

中村政人(なかむら・まさと)
1963年秋田県大館市生まれ。「美術と社会」「美術と教育」との関わりをテーマに様々なアート・プロジェクトを進める社会派アーティスト。「第49回ヴェネツィア・ビエンナーレ(2001年)日本代表。1998年からアーティストイニシアティブコマンドNを主宰。「ヒミング」(富山県氷見市)、「ゼロダテ」(秋田県大館市)など、地域再生型のサスティナブルアートプロジェクトを多数展開。プロジェクトスペース「KANDADA」(2005~2009)を経て2010年6月よりアーティスト主導、民設民営のオルタナティブ・アートセンター「アーツ千代田3331」(東京都千代田区/秋葉原)を立ち上げる。平成22年度芸術選奨文部科学大臣新人賞を芸術振興部門にて受賞。2011年より震災復興支援プロジェクト「わわプロジェクト」を始動。さらに2012年からは東京・神田のコミュニティとの関わりの中でまちの創造力を高めていくプロジェクト、神田コミュニティアートセンタープロジェクト「TRANS ARTS TOKYO」を開始。東京藝術大学美術学部絵画科教授。

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